長仙寺本堂

中仙寺は堺市東区石原町(もと河内国丹比郡石原村)に位置する融通念佛宗(総本山は大念佛寺)の寺で、本尊は阿弥陀如来である。
「石原」という地名については、安元元年(1175年)成立の『行基年譜』の天平13年(741年)の項に、布施屋(運脚夫や役民に食料等を給付する施設)九所として、「石原布施屋 在丹比郡在原里」が見え、竹内街道にほど近いこの地が古くから交通の要地であったことが推定される。
当寺院の開設年は不詳であるが、『大阪府全誌』によれば、当寺に安置している地蔵菩薩には、永享4年(1432年)の刻銘があり、享禄年中(室町時代)に納められたとの記載がある。
大念佛寺所蔵の延宝5年(1677年)の「大念佛寺45代記録并末寺帳」によると、もと浄土宗だったものを寛文6年(1666年)に融通念仏宗に改宗したものとされている。
また、明治5年7月金田村郷学石原出張場が当寺本堂に開校され、南八下小学校発祥の地でもある。